オトナマンガストーリー

    「オトナが楽しむマンガ」の視点でマンガの感想を書いていきます。マンガってストーリー作りや構図、そして人生まで学べちゃうまたとない娯楽。読んだマンガの良かったことや学んだことが中心になるかと思います。

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    西尾維新のジョジョスピンオフ小説「OVER HEAVEN」 

    2012/06/23
    Sat. 22:57

    ジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ小説として、前回上遠野浩平「恥知らずのパープルヘイズ」について語ったが、もともとこれを読むきっかけとなったのが、西尾維新による「OVER HEAVEN」である。

    これはラノベを読まない私ですら名前を知っている西尾維新が、ジョジョの最大の敵役、DIOを主人公にした作品である。「け。西尾維新なんて十代のガキ共が読む作家だろ?」と、これまで全くもって視野に入ってなかったのだが、DIO様を描くとなると話が違う。果たして西尾維新がDIOをどう料理するのか、という好奇心でもって、つまりは完全に企画に屈服して購入してしまったのだ。

    この小説のほぼ全編にわたって描かれているのは、DIOの日記である。承太郎一行が迫りつつある中、自らの後継者に対して「天国への行き方」を書き残すためにDIOが筆をとったという設定だ。

    ジョジョの奇妙な冒険本編では、第6部「ストーン・オーシャン」のラストで、DIOの遺志を受け継いだエンリコ・プッチが、自らのスタンドによって「天国」へと到達する。彼が目指したのは「DIOが目指した」という天国。

    DIOが目指した天国とは何なのか、そして石仮面をかぶり吸血鬼となったDIOがいかにしてその「天国」を目指すように到ったのか。日記は幼き日の両親との思い出(というかトラウマ)、ジョナサンから始まるジョースター家に対する意識、そして冷徹にして幾らかの狂気をはらんだ考察、そしてエンヤ婆をはじめとする配下のスタンド使い達とのやり取り…。これらを交錯しながら、DIOの思考は徐々に一つの方向性を見出していく。

    それがプッチがたどり着いた「覚悟」だ。

    その文面は本当にDIO本人が書いたと思わせる説得力、リアリティ、そして迫力に満ちている。
    暗く、狂っていながらもそれを誇りとする気高く純粋な「悪」の意思。

    まさに悪のイデアとして鬼才・荒木飛呂彦が生み出したダーク・ヒーローの内面奥深くを、その細かなひだまでをも忠実に再現したと西尾維新の力量は、さすがと言うべきであろう。

    DIOは第3部のラストで空条承太郎に滅ぼされるので、この日記が未完に終わるのは、最初からわかりきっている。だが、このあまりにもラストがわかりきったこの設定で、ここまで読ませる作品になるとは思わなかった。

    あとがきを読むと、西尾維新は荒木飛呂彦作品をこよなく愛している。

    その愛があるからこそ描けたDIOの内面世界。

    スピンオフ作品ながら、多くのジョジョファンを頷かせる作品と言えるだろう。


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    まとめ【西尾維新のジョジョス】

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    まっとめBLOG速報 | 2012/11/24 22:30

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