オトナマンガストーリー

    「オトナが楽しむマンガ」の視点でマンガの感想を書いていきます。マンガってストーリー作りや構図、そして人生まで学べちゃうまたとない娯楽。読んだマンガの良かったことや学んだことが中心になるかと思います。

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    海人ゴンズイ


    この名を知っている者を、私は無条件で「友」と呼びたくなる衝動に駆られます。
    そして、その名を語る顔がどこか引き笑いを含んだ、苦々しいものであれば、なおさらです。

    これは「浮浪雲」「銭ゲバ
    」で知られるジョージ秋山が描いた、野生児漫画。

    内容はよく覚えてないのですが、なにせ主人公ゴンズイの顔がコワイ!
    ドラゴンボールやら何やらジャンプ黄金期にありえない作品で、連載開始早々巻末を爆走していたのだけが印象に残ってます。お陰でいまだに私は少年ジャンプの巻末って、なんだか得体のしれない魑魅魍魎が棲んでいるような気がして、少年ジャンプを手にとって巻末に読み進むごとに、「ゴンズイ」の記憶が蘇ってくるのです!

    ですが、どんな内容だったか全く覚えてません。なぜこんなに覚えてないのに、インパクトを残しているのでしょう。でもって、どんな内容なのか思い出そうと、読んでみたのがこのブログ。ダイジェスト的に紹介されているだけですが、すでにトラウマ要素バリバリという、ありえない展開となってます。

    いやー、こんなのが少年誌に連載されてたとは、ほんと一昔前の日本はおおらかだったんだなあ、と思ってしまいますね。ジョージ秋山、続編書いてくれないかな(笑)


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    西尾維新のジョジョスピンオフ小説「OVER HEAVEN」 

    2012/06/23
    Sat. 22:57

    ジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ小説として、前回上遠野浩平「恥知らずのパープルヘイズ」について語ったが、もともとこれを読むきっかけとなったのが、西尾維新による「OVER HEAVEN」である。

    これはラノベを読まない私ですら名前を知っている西尾維新が、ジョジョの最大の敵役、DIOを主人公にした作品である。「け。西尾維新なんて十代のガキ共が読む作家だろ?」と、これまで全くもって視野に入ってなかったのだが、DIO様を描くとなると話が違う。果たして西尾維新がDIOをどう料理するのか、という好奇心でもって、つまりは完全に企画に屈服して購入してしまったのだ。

    この小説のほぼ全編にわたって描かれているのは、DIOの日記である。承太郎一行が迫りつつある中、自らの後継者に対して「天国への行き方」を書き残すためにDIOが筆をとったという設定だ。

    ジョジョの奇妙な冒険本編では、第6部「ストーン・オーシャン」のラストで、DIOの遺志を受け継いだエンリコ・プッチが、自らのスタンドによって「天国」へと到達する。彼が目指したのは「DIOが目指した」という天国。

    DIOが目指した天国とは何なのか、そして石仮面をかぶり吸血鬼となったDIOがいかにしてその「天国」を目指すように到ったのか。日記は幼き日の両親との思い出(というかトラウマ)、ジョナサンから始まるジョースター家に対する意識、そして冷徹にして幾らかの狂気をはらんだ考察、そしてエンヤ婆をはじめとする配下のスタンド使い達とのやり取り…。これらを交錯しながら、DIOの思考は徐々に一つの方向性を見出していく。

    それがプッチがたどり着いた「覚悟」だ。

    その文面は本当にDIO本人が書いたと思わせる説得力、リアリティ、そして迫力に満ちている。
    暗く、狂っていながらもそれを誇りとする気高く純粋な「悪」の意思。

    まさに悪のイデアとして鬼才・荒木飛呂彦が生み出したダーク・ヒーローの内面奥深くを、その細かなひだまでをも忠実に再現したと西尾維新の力量は、さすがと言うべきであろう。

    DIOは第3部のラストで空条承太郎に滅ぼされるので、この日記が未完に終わるのは、最初からわかりきっている。だが、このあまりにもラストがわかりきったこの設定で、ここまで読ませる作品になるとは思わなかった。

    あとがきを読むと、西尾維新は荒木飛呂彦作品をこよなく愛している。

    その愛があるからこそ描けたDIOの内面世界。

    スピンオフ作品ながら、多くのジョジョファンを頷かせる作品と言えるだろう。


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    「恥知らずのパープルヘイズ」

    JOJOの第5部に出てくるパンナコッタ・フーゴが主人公の、スピンオフ作品です。
    ライトノベル作家として有名(らしい。私はよく知らないんですが…)な上遠野 浩平が手がけた小説。

    とりあえず銀ピカの表紙がカッコいいのですが、私はこの手のスピンオフ作品に対しては懐疑的で、JOJO好きの私も読む気がしなかった一作。ですが、西尾維新が手がけた「OVER HEAVEN」が、意外にデキが良かったので、ついでに読んでみたのでした(これについては近いうちに書く予定)。

    感想は「けっこう楽しめた」。さすがラノベの旗手だけあって、ところどころ強引にすぎる部分はあるものの、設定や構成はなかなか練られているんです。感心したのは、第5部の主人公、ジョルノ・ジョバァーナが組織のボスとして放っている存在感が、よく描かれていること。

    この作品は、ジョルノ擁するブチャラティチームが組織を離脱する際、彼らを見捨てたフーゴが、ジョルノの元に帰るまでを描いた物語です。ジョルノはフーゴと別れた後、念願かなってボスを倒し組織の頂点に立ちます。一方、すっかり落ちぶれたフーゴのもとにジョルノは使者を寄越し、危険な仕事を依頼するのです。

    なぜ、ジョルノはフーゴに仕事を依頼したのか。
    それがこの作品の全編を貫く、ミステリーとなってます。危険な仕事を押し付けて、体よく始末しようとしているのか? はたまた復帰のチャンスを与えているのか? その真意を計りかねながらもフーゴはミッションに従事し、その中でかつてボスとの戦いで生命を落としたブチャラティら、仲間たちの心を理解していく…。なぜ仲間たちがブチャラティに惹かれたのか、そしてブチャラティはなぜジョルノを認めたのか。

    その心境の変化は、フーゴ自身にすら致命傷を負わせる殺人ウィルスを撒き散らすスタンド「パープルヘイズ」にも思わぬ進化をもたらし、最終的にターゲットを倒すに至る。ここまでジョルノは一切姿を見せず、存在感のみで強烈な印象を残しているところが、かなりニクい演出となってます。

    最後の最後、いわばエンディングシーンでようやく姿を見せたジョルノとフーゴの面会はちょっと涙モノ。
    智将ブチャラティが惚れた、ジョルノの絶大な器によって、フーゴもまた救われるんですから…。

    ラノベって侮っていたんですが、なかなかレベルが高いんだなあと痛感させられた作品でした。



    舞台は第5部完結後のイタリア、主役はパンナコッタ・フーゴ!!


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    水城せとな=かずはじめ? 

    2012/06/21
    Thu. 01:07

    前回、「失恋ショコラティエ 」で紹介した水城せとな。この人物ってかずはじめじゃないでしょうか? だって絵もストーリーも似すぎですよね。私は何を隠そう(隠す意味ないけど)水城せとなとかずはじめ、両方のファンなのです。最初にファンになったのはかずはじめ。ジャンプに連載されたMIND ASSASSINに度肝を抜かれたからでした

    ジャンプにあるまじき繊細な絵柄、心理描写、それでいてシリアスでクールなストーリー。何者なんだ、この人は!? と、もう毎週の最新号を待ちわびるようになったのです。MIND ASSASSINはいずれ終了しますが、明稜帝梧桐勢十郎など、いくつかジャンプで連載し、そのどれもがなかなかおもしろかったのですが、いずれも長期連載とは至らず、いずれジャンプから姿を消してしまいます。

    でもやっぱりかずはじめ作品は忘れられず、コミックスのMIND ASSASSINなどを読み返したり、たまにかずはじめのホームページを覗いたりしてしのいでいたのですが、ついにジャンプSQで「luck stealer」がスタートした時にはもう狂喜乱舞したものです。

    でもこの時、ちょっとした疑問が浮かんだのですよ。

    「これまで、かずはじめはどうやって食ってたんだ?」

    下世話な話ですが、当然疑問に思うわけですよ。文庫版も出たとはいえ、これまでの作品の印税だけでは食いつなげるとはとうてい思えませんし。それに一度消えた作家が新雑誌の目玉として登場するのも異例なことです。

    その辺の謎が「もし、水城せとながかずはじめだったら」という仮定で辻褄があってしまうのですよ。かずはじめは、かずはじめ名義での作品を発表していなくても、水城せとな名義の仕事がたんまりとあったと。むしろ水城せとながメインで、かずはじめは2番手の仕事だとしたら、こうした空白の期間が生まれるのも不思議なことではありません。

    両方の絵を見比べて見れば、絵柄が似ているのは一目瞭然。もしやかずはじめは水城せとなのアシスタントだったのかな? なんてことも考えましたが、それにしても似すぎです。それに擬音の使い方やストーリーの作り方、特に心理描写、そして天然系の男性がツッコミ役で出てくるというキャラの配置とか似すぎです。

    でもあえて違う点を挙げるなら、MIND ASSASSINの方が背景と心理描写がいくぶん、シンプルなこと。これはきっと少年誌向けのアレンジなのだと考えることもできます。また、こういう描き分けができるってとこに、水城せとな&かずはじめの底知れぬ実力を感じることができますよね。

    とは言えこれだけ論じてみてはしましたが、私としては水城せとなとかずはじめが同一人物なのかどうかってことは、どうでもいいことなのですよ。だって大好きな作風の作品がぐっとたくさん読めるってことですからねえ。水城せとな作品は旧作を含めて、これからガンガン読んでいきたいと思います。

       









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    失恋ショコラティエ 5巻をゲット!
    女性向けの作品は繊細な心理描写が魅力だが、この失恋ショコラティエは男性キャラもなんだか鋭く描かれているので、非常に楽しみにしている漫画の一つ。私の場合、女性向けマンガに耽溺する時期があるのだが、そういう時にジャンプなどを読むと、ストーリーもキャラ作りも大味なのに面食らうことがある。

    人妻サエコに片思いする主人公・爽太はサエコに振り向いてもらいたいあまりに、ショコラティエになったという人物なのだが、その周囲に配置された脇役が全く絶妙である。

    天然系フランス人パティシエのオリヴィエと、先輩パティシエにして爽太に密かに思いを寄せる薫子。そして主人公のセフレ、えれな。お互いに牽制し合いながら、実は猛烈な両想いという爽太とサエコの恋模様はまさに王道なのだが、3人の脇役の存在感がかなりいい味を出している。

    …とまあ、この辺まではこのマンガを読めば誰でも書ける感想だろう。

    だが「失恋ショコラティエ」の魅力は、なんだかもっと奥の方にある。作者、水城せとなはきわめて洗練された職人だが、技術や自分のスタイルに甘んじることなく、常に何かを攻めている。ちょっとなにをどう攻めているのか、いまの私には表現しづらいのだが、高度な技術を持ちつつも、それはさらに鋭い描写に至るための足がかりでしかない、という印象があるのだ。

    水城せとな自体、最近知った作家さんなので詳しくはないのだが、ざっと調べてみると実力の割に意外と、長期連載作品が少ないことが分かる。とは言え、そのいずれもが打ち切りとは考えにくい。きっと自らストーリーに見切りをつけて、物語を終了させるのだろう。

    失恋ショコラティエの舞台は、小さなチョコレート専門店、ショコラヴィを舞台にした人間模様である。
    このような、小さな世界を深く掘り下げることがこの作者の持ち味であり、得意技なのかも知れない。だからこそ、ストーリーを長引かせることなく、きちんと終わらせる。きっとそういうことができる作家であり、それを編集者にも許させるだけの説得力と実力があるのだろう。

    水城せとなは女性作家にありながら、緻密な計算のできる稀有な作家と言える。情念だけで突っ走る女性作家の作品も面白いものはあるが、なんというか暑苦しさやひとりよがりな感じが鼻について、なかなか好きになれないことも多い。だが水城せとなの作品はおそらく女性の情念的なものもベースにありつつも、きわめて甘く緻密にまさに高級チョコレートのように安心できる商品として提供してくれる。

    失恋ショコラティエは、もっと話題になって良い作品じゃなかろうか。

    それとコミックスがどんどん値上げしていく中にあって、フラワーコミックスは税込420円をキープしているのも、密かにありがたいところだ。





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